昨年2023年に王滝村の協力を得て、RootsOntake・地球守合同で登山道改修施工を実施、その続きとなる2024年の施工が無事に終了しました。
今回、強く感じたのは、田の原湿原再生への大きな希望でした。
現在、田の原湿原再生に向けた取り組みは、大きく二本柱で進んでいます。
一本目の柱が「土中環境視点の有機土木®️施工による登山道の改修施工」
二本目の柱が「湿原内の笹刈り、笹葉持ち出しよる水苔、湿地性植物の植生回復」
一本目の柱となる登山道の改修施工は、田ノ原湿原の乾燥をまねいている、排水の問題を解決する取り組みです。
1960年代から度重なる開発にさらされた田の原湿原は、本来その地に染み込み土地を涵養する雨水の多くを地形変更、砕石敷の道とU字溝により排水してます。
割ったU字溝
その雨水を少しでも田ノ原湿原に染み込ませながらも安定した車も通れる石畳道へするための施工が去年から続いています。
まずU字溝を外し、石積みの側溝へと変えます。
床堀終了
石積み側溝へ
昨年施工した場所は、流れてきた水が石積み側溝の下に染み込み次のU字溝に行くまでにほとんどの水が染み込んでいました。
今まで排水していた水が田ノ原湿原へ涵養されている様子が観察出来ました。
そして雨が降ると泥水となり砕石を押し流しながら川のような状態になる道に耐水耐久性の強いカラ松と焼杭、石を使い浸透性のある横断を作成していきます。
RootsOntakeメンバー、施工メンバー、ボランティアメンバー、王滝村役場職員とのべ1日25名前後が参加した現場となりました。
王滝村側からどんな施行をやっているか役場職員やボランティアメンバーへ伝えて欲しいと要望があり半分WSのような形で進んだ現場でした。
去年の施工から一年がたち変化も見られました。
2023年施工後
手前の砕石が流され土が見えているところが
横断を切った事で砕石の流れが止まり安定した事で植物が根を張り砕石の流失が止まっていました。
砕石の流失が減る事、この地に水を少しでも染み込ませること。
この二つが成功の条件だと思っていので嬉しい結果でした。
また、湿原内の植生再生にむけた笹刈り、持ち出しも効果を発揮し水苔が増えています。
こちらは、また別の記事に書きますね。
湿原を形成する重要な「水苔」
時折、失敗あり、車両トラブルもありながら施行メンバーとの話し合いや迅速な対応、技術、知恵に助けられながらなんとか施工を終える事が出来ました。
台風予報で中止も視野に入れていた日程でしたが蓋を開けてみれば雨に降られたものの時折晴れ間から御嶽山がのぞき、雲海も見えました。
お山に見守られての施工だったなと感じています。
まだまだ始まったばかりのこの田の原湿原再生へむけた取り組み。
多くの人の支えや参加を必要とします。(笹刈り改「水苔応援隊にぜひ!)
ぜひ皆さんの協力お待ちしております。
今回の施工の内容や現在の田の原の状態を一般社団法人RootsOntake理事、NPO法人地球守代表理事の畠山智明と一般社団法人コモンフォレストジャパン理事の坂田昌子さんとの対談が動画になっています。
こちらは、ドネーション付きでアーカイブを購入可能ですのご興味ありましたご覧ください。お申し込み心よりお待ちしております。
対談開催日時/ 8月31日 (土) 13:00-15:00
トークゲスト:坂田昌子さん生物多様性ネイチャーガイド (一社)コモンフォレスト・ジャパン理事。生物多様性の保全に尽力し、日本各地を駆け回りつつ、生物多様性条約COPや地球サミットなど国際会議にも継続的に参加。高尾山の自然環境保全を中心に、生物多様性を守り伝えるためネイチャーガイド、生物多様性をテーマにしたイベントやワークショップ、勉強会を多数主催。2022年より田の原湿原の調査等を行う。
トーク : 畠山智明一般社団法人地球守 代表理事、RootsOntake 理事、は組。木曽地域での施工は、団体としての活動のほかに、町のコワーキングスペース駐車場にて杜づくり、一般住宅の庭にて池づくり・石畳み・浸透構造のある駐車場づくりなどを行う。
今回施工した石畳
現在、RootsOntakeは、6名のメンバーで活動しています。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
一般社団法人RootsOntake一同
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