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田の原湿原再生プロジェクト2023年8月施工

更新日:1月25日

2023年8月下旬、田の原の駐車場から伸びる一本の砂利道、休憩所まわりの雨落ち部分に、土中環境の視点を取り入れた「環境土木」の施工を行いました。雷雨を心配していましたが、天気も保ち、御嶽山に守ってもらいながら施工することができました。


御嶽山を背に石畳の作業
御嶽山を背に石畳の作業

本プロジェクトの最終目標は、湿原の再生です。


かつての御嶽山田の原は、湿原の植物であるスゲが稲穂の様な実をつけて生い茂る様子に、神様の田んぼ、御田原(おたのはら)と呼ばれていました。高層湿原だった田の原は、永い年月をかけ植物がスポンジ状に堆積し(泥炭層)、水を湛え、その水は浸み込み下流域へとゆっくりと流れ、麓の森や私たちの暮らしを安定させていました。


現地解説ツアーにて、わずかに残る池塘部分を見学
現地解説ツアーにて、わずかに残る池塘部分を見学

しかし2023年現在は、大部分が乾き、笹に覆われ、わずかにタタミ3畳分程残る池塘(ちとう)という水の溜まる所に、モウセンゴケ、ミヤマクロユリなど貴重な湿原の植物たちが、かろうじて命を繋いでいます。


この湿原の縮小は、砂利の車道ができ、U字溝が設置されたことによる雨水の「排水」がもたらす乾燥が大きな原因ではないかと推測し、今回の施工では、石や焼き杭を用いて、雨水を大地に染み込ませる造作をしています。


参道の水や雨落ちの水が、土中に浸透するような造作をすることにより、土の中で水と空気が滞りなく巡り、土は本来の地形と豊かさを保ちます。


今回行った施工は主に3つです。


1. U字溝を外し石を据える


2. 登山道の一部を石畳へ変えていく



3. 休憩所の雨落ち部分に、カラ松の丸太と石を使い浸透構造を作る




作業中は、石上を歩く動作をし、違和感がないかも確かめながら微調整を繰り返しました。土中にとっても、歩く人たちにとって「よい道」であるように。



今回の施工期間中8月26日には、『高田宏臣氏・坂田昌子氏「御嶽山 田の原湿原がよみがえる為に」対談講演・現地解説ツアー』も開催しました。


環境土木の第一人者の高田宏臣さん・生物多様性の専門家の坂田昌子さんに、今回の施工に至った経緯、どんな施工を行ったのか、田の原の植物たちが何を教えてくれているのかなどをお話ししていただきました。



「排水」から「浸透」へ、私たちは意識を大きく変えていく時なのではと深く思うと同時に、今回の施工を御嶽山の登山口であり要所となる田の原でできた意義を改めて感じました。


現地イベントには、村内外から多くの皆さんにご参加いただき、王滝村の方からは感謝の言葉とともに「施工した道々が、永久に続いていく道となるように。」と熱いメッセージもいただきました。



今回の現場では、最小限の重機や車などを用い、石などの資材は、みんなでバケツリレーをして運びました。


自分の作業を一度止めて石を運ぶ。1人では大変な作業を少しずつ分け合い資材を運ぶリレー作業は、みんなで助け合って作業をやり遂げようという今回の現場を象徴するような風景でした。



現場の歩行者の方をはじめ、施工前の調整、食事やおやつ、宿泊、イベントの準備など、たくさんの方に協力してもらい、今回の施工は実現することができました。本当にありがとうございます。



これからも、草木たちから水や空気の巡りが今どうなっているのかを教えてもらいながら、その時に必要な施工を続けていければと思っています。


まずは今年の10月に、続きとなる施工を予定しています。


今後のRoots Ontakeからのイベント等のご連絡は、メールにて行なっていますので、ご希望の方は下記フォームよりお申し込みをお願いいたします。





一般社団法人Roots Ontake


 

御嶽山田ノ原湿原 再生・継続調査の応援について


一般社団法人RootsOntakeでは、田ノ原での施工が決まる1年前、2022年7月3日に、高田 宏臣氏と坂田 昌子氏が御嶽山田ノ原湿原について語った対談動画の販売を行っています。収益は、田ノ原に残されたわずかな湿原を守り、改善していくための調査費用となります。


一般社団法人Roots Ontakeでは、2024年以降も継続した田ノ原湿原の調査を行っていきますので、応援していただけたら嬉しく思います。今後も、ブログやメール等で情報を発信していきます。









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